新刊とコミカライズが出た、うれしい!。
Wikiに、
平坂読は本作のヒロイン、ナナオをサムライ系ヒロインのひとつの到達点と評した
とあるんですが、これうんうんとうなずいてしまいますね。何がって1巻の主人公のオリバーと剣で対峙するシーン。これ、サムライ系ヒロイン(笑)って何なんだよ、と突っ込みたくなりますが、こういう類型厳然とありますよね。その類型が一番輝く時って、「このシーン」ですよね。
「このシーン」とは、『とある飛空士への誓約』で、イリア・クライシュミットと坂上清顕のエピソードをを凄く思い出すんだよね。
何か到達すべき目標に対して「すでに命をささげてしまった」覚悟が定まっている人との関係って、「命を懸けて殺しあう」ってのが、「恋が最も成就する瞬間」になってしまうんだよね(苦笑)。男女関係なしですが、相手が、女の子でヒロインになると、このドラマトゥルギーが動き出してしまう。
男の子が、本当の本当にその女の子を愛していればいるほど、「命を懸けて殺しあう」というライバル関係の最終地点、言い換えれば、どちらかが死ぬ時までいかないと、「その女の子を本当の意味で愛したことにはならない」という、複雑怪奇な構造。
言葉にすると意味不明だけど、ナナオとオリバーが、剣で対峙した時に、このドラマトゥルギーが、一瞬ですべて凝縮されている。
『とある飛空士への誓約』は素晴らしく泣ける作品で、このドラマトゥルギーが、イリアと清顕で、ライトノベル7巻分にわたって展開されるんだけど、それが、ほぼ初対面のワンシーンで凝縮されている。
到達点と評されるのは、非常にわかる。まだ1巻の最初なのに(笑)
良い作品です。