トランプ勝利は白人労働者層の格差や貧困が原因ではない

一方で、不法移民を快く思わない有権者ほど、また人種間格差の原因を差別ではなく努力不足に求める有権者ほど、トランプに投票したという関係が見られたが、その影響はトランプ投票確率をそれぞれ最大で約60%ポイントおよび80%ポイント上昇させるという非常に大きなものであり、2012年と比べても増大していた。

要するに、白人の間でトランプへの投票を促した主な要因は、経済的不安や格差よりも、圧倒的に人種的マイノリティへの反感である。またトランプ勝利への布石となった、オバマケアに反対する財政保守運動であるティーパーティ運動も、その支持者の多くは経済的な動機よりもオバマに象徴される人種的マイノリティへの反感によって運動に参加していることが実証研究で明らかにされている(Parker and Barreto 2013)。人種的マイノリティの台頭に脅威を感じる白人労働者層が、ポリティカルコレクトネスへの配慮からこれまで民主・共和両党の大統領候補の誰も代弁してこなかった自らの声をトランプが代弁していると感じトランプに投票した、というのが実証研究の知見から得られる白人労働者層の投票行動の変化に関する最も妥当な説明であろう。

〔研究レポート〕2016年大統領選挙に関する実証研究の知見と2020年大統領選挙
2020-10-29
飯田健(同志社大学教授)
https://www.jiia.or.jp/column/post-16.htmlwww.jiia.or.jp

これ、実感ととてもあっている。

勝利の可能性は「白人死亡率の上昇」から読み取れた
〈前回の大統領選を振り返ってみましょう。

 ヒラリー・クリントンが「自由貿易」「移民受け入れ」「寛容さ」を米国の“理想”として単に繰り返すなかで、米国社会の“真実”を語ったのは、トランプの方でした。

 その“真実”は、例えば、1999年から2013年にかけて上昇した「45~54歳の白人人口の死亡率」に現れていました。


「左派高学歴エリートは語義矛盾の存在になり果てた」それでも“トランプ再選”が世界のためになるワケ
bunshun.jp
bungeishunju.com

あと、このエマニュエルトッド氏さんの「白人死亡率の上昇」は、重要な指標だと思う。これ上記と関連して、考えると興味深い。


凄いつながりますよね。