評価:★★★★☆4つ半
(僕的主観:★★★★☆4つ半)
Eye in the Sky(2015)。Gavin Hood監督。兵士の死傷率が上がると、すぐに戦争継続が困難になる民主主義国家では、必然的にドローンやロボットなどの遠隔操作による暗殺や戦闘が大きな潮流となっていく。ちなみに、ブッシュジュニア大統領と違って大きな戦争を起こさなかったオバマ大統領時代には、ビンラディンを含む暗殺が、けた違いに多く行われ、特殊部隊の予算及び規模が巨大化している。戦争をしない代わりに、特殊作戦で(多分暗殺やかなり公にできないこと)をしまくっているのが、数字からわかる。キャスリン・ビグロー監督のゼロダークサーティーもそういう映画でしたね。公式には、就任2009年から2015年のまでにテロリストに、約500回のドローンの攻撃を行い、約2500人ものテロリストを殺害している発表しています。これからの戦争は、この形態が、大きなウェイトを占めていくことが考えられる。そう思うと、近未来の戦争の在り方だ、と震撼しました。
『踊る大捜査線』で、「事件は会議室で起こっているんじゃない」と言っていたのが、もう既に遥か過去になっている。こうした戦闘の在り方そのものの変化に、法律がまったく追いついていない。その現実をまざまざと見せつけられる映画だった。しかし逆に、これが表現の世界に出てきたということは、今後の、軍の最前線の意思決定には、こういったやり方が整備されていくのだろうとセンスオブワンダーだった。外側の安全地帯から、さまざまなコンプライアンスを考えて意思決定するときには、その場にいることでの興奮状態(恐慌状態?)ではごまかしきれない倫理と道徳の問題が、常に頭をよぎってしまうだろう。
Alan Sidney Patrick Rickmanの遺作。ハリーポッターシリーズのスネイプ先生役で有名でしたよね。