実は地味にずっと、好きで読んでいる。この作品は、SF的には、ステレオタイプだと思うし、絵や背景だって本物(←それってなんだ?)のSFファンからすると陳腐なんではないかなーと思うんだが、、、、むむむむいいんだよなー。どっちかというと劇画とまではいかないが、リアルに比重のある絵柄は、萌要素とか全然なくて、よほど脚本がうまくないと受けつけにくいんだけど(僕的に)、いやー本当に面白い。僕好み。基本的に、アメリカ人と日本人の大親友の登山家が、世界中のすべての山を登り尽くして、それで
もっと上へ行こうぜ!
と、誓いあうところから物語が始まります(かっこいー!)。アメリカ人は、最短ルートで!ということで軍隊へ入り、湾岸戦争でパイロットの英雄として宇宙への道を歩み始めます。そして日本人の吾朗は、後手に回りながらも民間のBS(ビルディングスペシャリスト)として、、、人類初の月面開発のフロンティアーズと呼ばれる英雄として宇宙へ到達します。
って、普通そこで終わりだろ?ってところがそこで終わりません。
光の世界で日の当たる道を歩む日本人に対して、影の軍事の道で月面を目指すアメリカ人・・・・二人は、宇宙開発の利権、そしてインド・パキスタン全面核戦争で荒廃した地球にエネルギーを送る月面都市ルナネクサスの統治権をめぐり、さまざまな葛藤を持つようになっていきます。
そう、夢だけでは、宇宙には到達できない。できたとしても、やはり「人間の現実」ってやつがどこまでも付きまとう。この二人、心から信じ合った友人だったはずなのに・・・・。
いや素晴らしい脚本です。