2021年の振り返り+2022年の目標

f:id:Gaius_Petronius:20211204040524j:plain

2021年がどんな年だったか?と総括すると、やはり『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』を見に、コロナ制限下の日本に一時帰国したことだ。

petronius.hatenablog.com

2020年のコロナパンデミック、そしてトランプ大統領によるVISAの制限などで、もう日本に帰るしかないのかとか、いろいろしんどかった。が、その中でも、シン・エヴァを日本の劇場でリアルタイムに親友たちと見れたことは、この上のない自分の人生の思い出になった。とても運良く、自分も家族もコロナや病気になることもなく、何とか過ごせて、生き残ることができただけでも十分な成果だと思う。アメリカの会社に勤めているので、コロナで需要減が予測されたとたんグローバルにいきなりの大レイオフが実施されたけれども、からくも生き残り、まぁ職も、住処も、健康も何とか維持できたので、本当に良かった。いろいろ激動ですよ。ほんと。



www.youtube.com


■2021年の物語をどのように見てきたか?

1)『シン・エヴァンゲリオン劇場版𝄇』

2)『Turning Point: 9/11 and the War on Terror』

2)『進撃の巨人』終了

3)『UQHOLDER』もうすぐ終わる
2021-1010【物語三昧 :Vol.131】『UQ HOLDER!』24巻 普通の人々の進歩が、世界を最も救う-139 - YouTube

4)『鬼滅の刃』の大ヒット+連載終了(2020年だけど単行本で読んだのは、2021)

5)『スーパーカブ』(2021) トネ・コーケン原作 藤井俊郎監督 そこにもう救われない最後の1%はいない。観た最初の1話でずっと感動して泣いていました。

6)『ノマドランド(Nomadland)』2021 Chloé Zhao監督 雄大なアメリカの風景を移動しながら野垂れ死ぬことを幸せだと思いますか?

7)マンガのあり方は、ジャンプ黄金期の500万部を誇った紙帝国による流通支配の構造から解き放たれて、マンガ本来のポテンシャルを、全力で追及するフェースに入っている!

8)The Road to 2024 - 米国政治を見ていくうえで背景として押さえておきたいことのまとめ-トランプ支持の7400万票の意味を問い続ける必要性(1)-(3)
https://petronius.hatenablog.com/entry/2021/02/02/095016
https://petronius.hatenablog.com/entry/2021/02/06/070021
https://petronius.hatenablog.com/entry/2021/05/08/073635


9)すべてはグローバリズムの浸透にによる能力主義メリトクラシー)による断絶から

10)與那覇 潤『平成史―昨日の世界のすべて』を読んで、平成の30年が自分の中ではっきりと歴史になった



「何かが終わって」「何かが始まっている年」という感じが凄くする。どうもやはりいろいろなことが、10年単位くらいで変わっている感じがします。この「感じ」が強く感じたのは、アメリカのアフガニスタン撤退(911以来の対テロ戦争の20年の終了)と、與那覇潤さんの『平成史―昨日の世界のすべて』の平成1年1989-平成31年2019の30年間を描いた本を読んで、平成がちゃんと歴史になった気がしたんですよね。もちろん、シンエヴァ進撃の巨人が終わることによる、大きな喪失も個別では感じました。また『The 100』シーズン7(これは2020年)、約束のネバーランド鬼滅の刃と、アズキアライアカデミアが、セカイ系(00年代)の次の世代の物語群だと考えていた「新世界系物語群」(2010年代)も次々に終わりを迎えました。区切りは、2020年ぐらいから感じていたのですが、ついに終わったという感覚が強い。やはり、シン・エヴァは、青春というか、青年時代が完全に終わったなという感慨をもたらします。僕が、1995年ですから大学生の時でした。27年ぐらいたっているのですね。


『スーカパーカブ』によって、「救われない最後の層をどう救うのか?」という命題には、決着がついた気がします。「生き残る気がない」「勝つが気ない」いいかえれば動機、自分で自分を助ける気概がない層を、どのように救うかという問いは、その答えが出ないままに、仮に何も持っていなくても「友達がいなくとも」「生まれ育ちが恵まれていなくても」それでも何とかなる方法は十分にあるほど、セカイも世界も美しいという結論を経て、次のステージに移ったと僕は思います。だって、これって才能や手持ちの偶然に恵まれたアイテムの差では、人生は変わらないって言っているわけですから。主人公は、特に生きる気力もない、ただ息を吸っているだけのような、何一つ期待していない人生を生きているにもかかわらず、「ただ風景が変わる景色を眺めるだけで」その世界の美しさに魅了されていきます。これが、答えです。ただ生きているだけで、人生は美しいのです。そのために必要なものは、賢しらな、お金、美醜、そういった「勝ち組」などに見える物質的な、タンジブルなものじゃないんです。みんな、それに騙される。


那覇の本を読んでいて、平成の30年を一言でいうのならば、勝ち残る意志を持ったものが生き残るという前提で社会が運営された時代だといえるでしょう。手垢にまみれた曖昧な言葉ですが、新自由主義ネオリベラリズムの時代といえる。だからこそ「そこから取り残される人々」をどう救うのか?という命題と告発が、常に繰り返されました。もちろんのこと、「生きる気力のない人は、淘汰され死ぬしかない」のは生物の宿命ですが、『スーカパーカブ』においては、その選別の基準は、決してメリトクラシーなどの能力ではない!という喝破があったと思います。クロエ・ジャオ監督の『The Rider』 でも『ノマドランド』でも、人間はしたたかで、メリトクラシーによる選別淘汰ごときを超える次元での、美を生を持っているといっているように僕には思えます。もちろん、リソースがないところに、物質的な豊かさや、人権のような嘘安楽装置が通じない過酷な世界を生きなければいけないのはどうしようもない事実ですが、「その過酷な選別淘汰の世界の中」でも、セカイに祝福され、美しい生を世界を生きることは十分にできる!ということを結論付けているように思えます。『天気の子』もまさにそうですよね。


リア充と非リア充の文脈も、結局は、社会的に勝ち組に見えるという「その時の」選別基準だけを言っているので、温暖化や大地震などの大環境変化がきた瞬間に切り替わるような、チープな選別基準では、人の価値は評価できないし、そもそも「生き残る」という命題の前では、そんなことを関わっているのは、社会に余裕があった昭和時代の甘えだということで、その話は終わったように感じます。


フェミニズムなどのマイノリティの権利要求の勃興や先鋭化カルト化に対して、保守派などトランプニズムなどのリサージェンスが起きて、マイノリティ群とマジョリティの絶滅戦争に突入しているのも10年代の特徴でした。リベラリズムが、カルト化して、各部族化での内ゲバと、マジョリティへの社会をぶち壊そうとする絶滅戦争、、、、万人に対する万人の闘争状態が恒常化しているのですが、その状況に、コロナ禍などの、人為的にはコントロールしきれない未曽有の危機によるプラットフォームの破壊が起きたのも、とても象徴的でした。これってドラマ『The 100』の話そのままですよね。世界が滅びようとしているのに、相も変わらず人間は部族に分かれて、絶滅戦争をしている。そして、世界は滅びてしまう(苦笑)。


でも、ここでは世代の選別が、実は行われている(笑)。だって、人類はしたたかに生き残るんだもの。古い世代は、全員皆殺しにあって、きれいさっぱり消え去る。世代論でいうべきではないのかも、、、なぜならば、新人類が生き残るという形式が多くて、古い世代の、魂に重力をひかれている人々が、死に絶えて絶滅しているだけに過ぎないので。必ずしも年齢ではない。適応できなかった人だけが死んでいる。もちろん、その選別基準は、弱者とかそういった陳腐なものは関係なく皆殺しが起きる。しかしながら、本当に滅びるかというと、そうでもない。すでに、プラットフォームをマジョリティが独占できる古き良き時代の保守的なものは、完膚なまでに否定されました。かといって、マイノリティの群が、マジョリティをもちろん抹殺できるわけでもなく・・・・パラダイムだけがシフトするという構造になっている。どちらかがが勝つ!ということではないのが、暗黙に示唆されている。世界が滅びるくらいのプラットフォームの大破壊が起きるので、各部族ごとの争いなんかが、どうでもよくなってしまう状況に追いつめられる。


さて、では、その後の世界には、何が起きるの?


というと、物語の形式では、類型ごとの「どの物語人気を得るか?」ということ以上に、プラットフォームがウェブをメインに切り替わることによって、これまでの物語を抑えていた「媒体による構造規定」がすべて失われるという大構造変化が起きました。ジャンプ+の登場です。ここにいたって、雑誌媒体によって元も重要なことは、雑誌を売るという「紙帝国の利益」よりも、その雑誌媒体がつちかって来た「ソフトを生み出す文化と部族をどのようにデジタルに移植して=生き残らせるか?」に代わりました。そして、既に、デジタライゼーションによるマンガ文化の移行期の混乱と苦しみは終わりました。次々と、紙媒体による制約を無視してよくなった新しい構造から傑作が生み出されて行っていきます。これ、『The 100』の話とそっくりですよね?。古い対立が意味を失うほどの、プラットフォームの破壊と絶滅が起きて、そこで生き残った最良?の部分が新しい仕組みに適応して、花開いていく。祝福されていく。


ちなみに、現実の世界は、それほど単純じゃないです。というのは、


1)まだまだ各部族による絶滅戦争は激化していく傾向が見えます------言い換えれば、プラットフォームはまだかなり余裕があるってことです。余裕があるというのは、アフリカンアメリカンやフェミニズムなどの「これまで虐げられてきた層」による、メインに対して復讐するトレンドはまだまだ続くと思います。物語的には、そちらの方が豊饒さが圧倒的に増します。いままでスコープに入っていなかった文化や人々が、メインきゅらくたーとして登場するわけですから!。


僕は、絶滅戦争で「皆殺しにされていく」弱い人々が、一発逆転で復讐を望む傾向って、これからもまだまだ続きそうって思う。だからこそ、マイノリティからマジョリティへの復讐。虐げられて排除されたマジョリティのプラットフォーム管理者によるグローバリスト・リベラリストら選良への革命の復讐のトレンドは、まだまだ続きます。


さらにいえば、


2)それはつまり、逆のトレンドも浸透していくことです。グローバリズムと、親和性のある新自由主義は、深く広くさらに浸透していきますってことでもある。------言い換えれば、世界(先進国で特に)に惨めで救われない人々を、格差を生み続けます(ただし、リベラリズムによるマイノリティの解放と権力化、そしてグローバルな産業化による様々な虐げられてきた地域の勃興(この地域の人はどんどん物質的には幸福になる)と先進国への挑戦が進みます)。要は、正反対に見えるベクトルが、地域差を伴って、同時進行して激化していく感じ。なので全体を見通していないで局所だけを見ると、まったくおかしな予測をしてしまいがち。見ている場所ごとに分断されていて、「見通す」ことが難しい時代。


この「どこらへんで限界が来るか?」というのは、わかりません。まだまだ大丈夫そうでもあるし、ギリギリでもあるように感じます。


一つは、温暖化(寒冷化?)や火山大爆発などの、マクロの環境変数をすべて変えてしまうような大災害が地球規模でどこまでのレベルで起きるか?ということです。


同時に、人類を規定するエネルギー問題である、核融合(脱石油)や宇宙開発が、どのレベルまで進むか?


です。2020年代は、これがどこへ行くのかが見ものです。僕は、2020年代の兆しとして、異種族結婚もの類型から、どうももう一度、絶滅戦争をしている者同士での、相互理解の物語が試行錯誤されそうな感じを受けます。同時に、プラットフォーム自体を破壊してしまうような、未曽有の大災害に対する物語が生まれそうとも思います。まぁ、これはトレンドですね。


www.youtube.com


でもそれ以上に、紙媒体による制約から逃れた、マンガの勃興が進むでしょう。


f:id:Gaius_Petronius:20211209085221j:plain


もう一つは、トランプ現象、グローバリズムいろいろなマクロの構造が、はっきりとしてきたのも2021年の特徴だと思うんですよね。このあたりのキーワードは、メリトクラシー能力主義)。一見、能力による選別は、階級や生まれによって支配されていた封建的な世界からの解放と見るときには輝くのですが、それを純粋につき進めると、凄まじい差別構造を、自浄作用なしに容赦なく構築していくことが、グローバル化において進展することがわかりました。人類は、能力による平等というあり方じゃあだめだということがわかりつつあります。でも、共産主義による平等はただ単に人々の動機を失い、やばい低いレベルで固定化して(悪平等)、むしろ全体で貧しく専制主義的になってしまう、ということを20世紀に我々は学びました。21世紀には、メリトクラシー能力主義だ!と言って突き進んだら、メリトクラシーの選別に漏れる人々を下層階級としてほぼ奴隷化してこき使う構造を生み出すというのも学びました。今後、世界はどうなっていくのでしょうか。

petronius.hatenablog.com

petronius.hatenablog.com


個人的にマライ・メントラインさんと、三宅香帆さんの書評家と視点がとても好きで、自分が抜けているなという部分を補完できて、とても注目しています。

『東京卍リベンジャーズ』稀咲鉄太の巧妙なキャラ設定から、イマドキ漫画の「悪」の描き方を考察(マライ・メントライン)
2021.11.9
https://qjweb.jp/journal/59655/


■2021年の見たものの中のベストいくつか

総合
1.『Turning Point: 9/11 and the War on Terror』
2.『その着せ替え人形は恋をする』
3.『【推しの子】』
4.『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
5.『無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜
6.『俺にはこの暗がりが心地よかった』
7.『ダンピアのおいしい冒険』
8.『天幕のジャードゥーガル』
9.『チ。―地球の運動について―』
10.『ルックバック』

とにかく『Turning Point: 9/11 and the War on Terror』これが、自分の中では大きかった。対テロ戦争の20年を網羅して、現代アメリカがどこから来て、どこへ向かっ’ているのかが、クリアーにわかった気がします。與那覇 潤『平成史―昨日の世界のすべて』も同じで、平成の30年を総まとめできた。ただし、與那覇の本は素晴らしいが、全体を貫く「歴史が語られなくなった」というのは一面わかるのだが、全体的には非常に懐疑的で納得できない。僕は、出口治明さんを尊敬していて、この10年くらいは、むしろ歴史をちゃんと学ぼうとする意識が凄い高まっている気がする。なので、與那覇潤さんの「全体の解釈」自体には懐疑的。というのは、歴史家で、専門的に額級的に学んでいる人は、かなりの確率で人格的や社会性に問題があって、「下々の下民を見下す」傾向が強すぎて、エリートと非エリートのバイアスがかかりすぎるといつも思う。歴史好きで、歴史家、尊敬しているんだけど、たぶん貧乏とエリート意識で凝り固まってしまう確率が多いんじゃないかなぁといつも思う。

note.com


この辺の批評家の世の中に対するスタンスと非常に似た構造を感じます。自分も、「鳥瞰的な視点で世界を眺めている」という特権意識から、そうでない人をと軽蔑して馬鹿にするような視点の「罠(=老害)」に陥らないようにしなきゃって思います。三宅香帆さんが下記でおっしゃていたこととリンクするんだと思うけれども、

僕は、あまり専業批評家って好きではなくて、どこかでなんかずれていく気がするんですよね。10年単位すぎると、旬が過ぎて、意味不明なことにこだわるようになって老害化しやすい。なんでかっていうと、たぶん「日常を生きること」というものが、「文字を書いて(=頭の中のこと)で自己実現して生きていけるようになった人」は、わからくなるんじゃないかって思っています。というか、「自分の頭の中の妄想やイメージ」のほうが、現実より優先されるエゴとプライドが、どんどん育って、現実との接点を失いやすいのではって思う。「普通に働いている人」は、批評の論理が深くならない代わりに(笑)、ストレスの解消であるとか、とにかく「楽しむこと」の次元を逸脱しにくいからだろうと思う。なので、僕は、専業よりは、物語や文字を通して、同時に世界を豊かに生きている人の意見を聞きたいなっていつも思う。また自分もそうありたいと思う。知識や教養でマウントするのが目的ではなくて、「より深く面白さを追求する」ことを目的として生きていきたい。


『その着せ替え人形は恋をする』『【推しの子】』マンガ、物語としては、もうなんというかこの二つが、圧巻に面白かった。面白いだけではなくて、新しいし、もうなんというか、凄いですって感じです。けど凄すぎて、なにが凄いかっていまだうまく言えない。


以下、それなりに順不同(それなりに順位はあるけど)

ANIME

機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ
無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜
スーパーカブ
ウマ娘 プリティーダービー Season 2』
『映像研には手を出すな!』
『Vivy -Fluorite Eye's Song-』長月達平


マンガなど
『ルックバック』
『【推しの子】』
『その着せ替え人形は恋をする』
『チ。―地球の運動について―』
『「推しと共に生きる」「破戒!令和因習村」「アッ子ちゃんは世界一」』鳥トマト
ゴールデンカムイ
『俺にはこの暗がりが心地よかった』
『ダンピアのおいしい冒険』
『天幕のジャードゥーガル』
『二度目の人生アニメーター』
『外科医エリーゼ
『地獄楽』
『世界で一番早い春』
『勇気あるものよ散れ』
『目黒さんははじめてじゃない』
『好きな子がめがね忘れた』
『熊打ちの女』
『ある日、お姫様になってしまった件について』
『俺だけレベルアップな件』
『めぐみの大吾 救国のオレンジ』
『紛争でしたら八田まで』
『アステロイド・マイナーズ』
『夜ヲ東二』
『花野井と恋の病』
流血女神伝 帝国の娘』
『焼いてる二人』
『ハコヅメ』
茉莉花官吏伝』


ドラマ/映画
『レヴェナント』
『The Rider』
『愛の不時着』
『ルースエドガー』
『ミナリ』
『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』(2017)フレデリック・ワイズマン監督
『THIS IS US』
ノマドランド(Nomadland)』
イカゲーム』『今わの際のアリス』
『ミスター・サンシャイン』(Mr. Sunshine)2018
『Captain America: Civil War』
『Colin in Black & White』2021 エイヴァ・デュヴァーネイ


note.com

note.com

note.com



■2021年の自民党総裁選からふりかえる


那覇 潤『平成史―昨日の世界のすべて』でまとめられたのは、自民党の総裁選挙が、物凄く面白かったから。実は、これとても興味深くて、2つのことを僕は大きく学んだ気がします。

1)Youtuberが芸人に広がっていくのは、予測していましたが、あっちゃんのやつが素晴らしくて、なにが素晴らしいかというと、超長期間の話を、分かりやすく「彼の視点」を軸にまとめて網羅して説明してくれること。彼の言っていることをうのみにするな!とかいう意見は、本当に無駄な意見で、そんなのすべての「言説」「情報」に当てはまること。自分で判断解釈できない人間は、搾取されて、情報の海に沈むだけというのは、いつの時代も変わらない。そのうえで、Yutubeの凄さを実感した年でした。一つは、子供たちのYutubeからの情報の得方が、もう僕のようなおっさんの世代とはけた違いのレベル、精度をになりはじめて、世界の構造自体が、まったくわかってしまっってういる-------それは、ジャンプ+などの紙帝国の崩壊とも軌を一にしていると思い、新しい新世界にいま僕らは突入しているんだ!というキラキラ感を凄く感じます。デジタライゼーションが、僕らの生活の内側にまで入り込んできているということだと思うんです。まだこのデジタル化がもたらす具体的な世界の像を僕は想像できていないですが、過去の「当たり前」が、既に完膚なまでに崩壊しているのは実感します。特に、僕は、映画やマンガが好きなのですが、、、、特に映画ですね、Rotten Tomatoesとか、そういったレヴューサイトの精度が、異様に上がってきた気がするんです。上記の「CDBと七紙草子」さんの記事と同じ構造だと思うんです。もうすでに、特権サークル内で身内褒めをしていた高等遊民的な批評家の存在は、価値がなくなった!ということなんだろうと思うのです。僕自身、紹介機能としてのブログ物語三昧の10年前の価値といまでは、まったく違うと感じます。明らかに、批評や「物語をどう分析するかの視座」が、10年前と違います。なぜならば、精度の高い、公の評価が、既にレヴューサイトでも食べログでもアマゾンのレヴューでもSNS情報でも、なんというかなんでもいいのですが、インターネット空間から得られる「最大公約数の評価」に、瑕疵がなくなってきた気がするんです。だから、いちいち「長い批評なんか読まない」ってのが、常識化している気がします。ただ、それがYutubeになって、たぶん10年後には、AIが入ってくるのでしょうが、媒体としての仕組みは、そうなっていく革命が進行していくのは止められません。でも、人類の「思考の在り方」は変わらない(だって大脳の構造は変わらないのだから)と思うので、そういった最大公約数の「民意」を「衆知」すぐ得られることによる、「情報格差をつかっただまし」というのができなくなります。なので、特権的な身内集団が、批評とか「解釈を独占する」ってのはできなくなりました。でも、同時に、それぞれ個々人の内的な、真善美の基準を、自らの努力によって積み上げて完成を豊かにするという「行為」自体は、情報にアクセスしただけでは、得られません。「ここ」は、これから問われると思っています。

www.youtube.com

note.com

note.com


みたいなことを考えたのは、大学生ぐらいからの日本の政治史は、体験しているのですが、1945-1970くらいまでの歴史が空白だったんですよね。自分のテーマで、明治維新から1945の敗戦までは、かなり勉強しているのですが、その間の高度成長期が空白だった。個人的に、そもそも団塊の世代や、親の世代の時代は嫌いなので(笑)、興味が持てなかったんですが、それが、今回の総裁選にあたって、あちゃんが、自民党史を、全部まとめているのを聞きまくって、全体像がすべてリンクしたんです。もちろん、この語りは、「人格を軸にした恩讐」の面で切り取るという極端な恣意がありますが、僕自身、それなりに政治の知識もあったので、それがガンガン結びついた。また、これでやっと小泉政権の意義や、大きな平成の流れに至る問題意識がすべてつながって、僕的には、素晴らしい充実した時でした。


2)もう一つは、なんというか、、、、、中国が本当に、人類史に復帰してきたんだなって、腑に落ちたんですよね。


ほら僕らの世代の、ここ200年くらいの中国って、ダメダメだったじゃないですか。僕は歴史好きなので、そんなはずはないと思いつつも、実際にダメなので(笑)。でも、もうそうじゃないのは実感しているんですよね。2000年代は、ペトロニウスは、中国東南アジアで、事業に携わっていたので、もうどんだけ凄い勢いかは身に染みてみていました。

f:id:Gaius_Petronius:20211227062153j:plain

なんで、こうおもったかというと、今回の岸田さんの総裁選挙って、なんで自民党だけしか話題にならなくて、野党の存在感がゼロなんだろう?って、また、自民党の中でも、かなり右から左までそろっていて、「誰になってもありじゃないか?」っていう余裕があって楽しめたんですよ。極端な話、極右でも極左でも、自民党の枠内ならばどちらでもいいのでは?って感じがしていました。僕は岸田さんが勝つと予想してなのですが、理由は、明らかに、日本が内政ターンに向かっていて、新自由主義ネオリベラリズムの暴走で偏った国内を何とかしろよ、多少は海外をほっておいてもいいからって感じがして仕方がなかったんですよね。これは、はぅきりいえば、長期の安倍政権の「グローバルな外交スキーム」が確定したから、多少外で失敗しても、もう方向は変わらないって感じがあるからなんですよね。いいかえれば、中国が強大化するのは、もう自明。だから、アメリカと中国の長期の冷戦構造が、はじまる。その時に、「日本はどこと組むのか?」という問いが、安倍政権の長期間にわたる課題だったんじゃないか?と思うんですよね。どんなに、惨めでも、極端でも、はいつくばっても、アメリカが意味不明に動いても(笑)、日本は、アメリカとの同盟で、対中国包囲網を貫徹するというスキームがこの時作られました。中国がめちゃ強いので、これが正しいかどうかはともかく、日本ははっきりとして歴史の選択をしたんです。だから、イギリス、オーストラリア、インド、日本、アメリカの連携の話ばかりでしょう?。今後50年の対中国のスキームができているからです。これが意味を持つのは、中国がめちゃくちゃ強い!ってのが確定したからです。また、その場合、日本は、そちらに組しない、というのも。だから、安心して、内政にまわれる。ああ、時代が変わぅたんだ、と思ったんです。


■2021年度の目標達成度合いと、2022年の目標

1)2021年目標と結果
映画は、40本。
アニメが、10シリーズぐらい。
アメリカドラマがいくつか。
YOUTUBE 143(151)は、いくつ作ったのか、数えるのめんどくさいけど、まぁやった。

そういう意味では、今年は、だめだった。理由は明確で、目標を決めていなかったので、グダグダになってしまったこと。日本に帰国の時期は、visaなどそもそもインフラレベルのことで、いろいろ大変だったので、とても安定して映画とか見ていられなかったという言い訳がある。でもまぁ、無様だ。その分カウントしていないけれども、漫画は異様な数を読んでいる気がする。いつも予算制限をかけているのだが、ストレスで無理してもと思って、かなり予算フリー気味だった(苦笑)。こんな年は、続かないよなー。ああ、そういえば、やりたかったゲームは一切できなかった。大親友らの強い推薦もあって、これはぜひともしたかったのだが。。。。無念。特にゴーストオブツシマとか、残念。

www.youtube.com

note.com


■子供と名画を見るシリーズ

今年の映画が全体的にかなり少なくなってしまった理由には、「子供たちと名作を見ようプロジェクト」でかなり、時間を縛ったという部分がある。2021年は、というか2020年くらいから子供に古典名作を見せようとかオタク教育に熱を入れ過ぎて、それに時間を奪われ過ぎた気がする。ミドルスクールの7-8年生。2021年は、`8the Grade`だけど、本当に頑張った。目標だった世界史の全解説も約1年抗議し続けて終わったし、最終目標だったアウシュビッツ関連の映画や映像を見せるところまで行けたので、まぁこんだけガチでやれば、親として大したもんじゃないか、とと自画自賛。子供たちには、お父さんお趣味と、大人になっても付き合ってくれる教養をつけて欲しかったので(笑)、よかった。宮崎駿作品も、だいぶいけたので、これも良かった。LAのハリウッド博物館で宮崎駿展をしているのでそれの前にある程度、見て欲しかったんだよね。アメリカのドラマやエガが優先されて(アヴェンジャーズ)とか、以外に宮崎駿作品を見ていないのには驚いた。

映像の20世紀・第4集・ヒトラーの野望


来年は、、、、もう軌道に乗っているので、それほど無理に子供に強制はしないかなぁ。もううちの息子の小説家になろう読んで居る数とか、娘の漫画の読んでる数とか僕を凌駕しているので、自律運営されている感じ(笑)。


2)2021年目標
映画60本
アニメーション:長浜忠雄か富野由悠季か検討中だが、なにか古典をひとシリーズ見なければ、
ドラマシリーズ:ゲームオブスローンがまだなので、これはいかないと。
本:ハードカバーの大著を1冊

この辺りは、もう少し精度を上げたり考えていくにせよ、もうチョッチ精密に2022年は目標を立てたちところだけれども。ほんとは、映画100本の王台にはいきたいなぁと密かに思っているのだけれども、来年は仕事も忙しい感じだしなぁ。


アメリカはどこへ行くのか?

あとは、そろそろ中間選挙もあるし、次の大統領選挙に向けての前提を考えたり、バイデン政権の今後も真面目に感がてみたい気がする。うーむ、やることぃつぱいあり過ぎて、、、、もう年だから気力が続かない。でもまぁ、ゆるゆると人生を楽しみませう。


www.youtube.com

公共投資
www.youtube.com

ボストンで台湾系の市長の誕生-『ボストン市庁舎』
www.youtube.com