世界を相手に考えるスケールを持つことは、今後の人口が減る日本では必須

□iPhone、ソフトバンクを選んだわけ
http://www.asahi.com/business/update/0605/TKY200806040323.html?ref=rss

iPhoneが成功すれば、日本市場特有の携帯の売り方にも影響を与えそうだ。日本では、世界の流れとは異なり、携帯電話会社が主導して端末開発から販売まで一貫でサービスを提供してきた。iPhoneをきっかけに、メーカー主導の開発・販売が進めば、新機能やサービスの競争が広がる可能性がある。


最近ふと思う。自分の会社が、凄い勢いで・・・といっても水面下なのでなかなかわかりにくいがグローバル化にひた走っているのがよくわかる。・・・ある意味、とても遅い部類ではあるとは思うのですが、それでも次の10〜20年で市場で生き残るためには、日本でもグローバル化はもう常識なのだな、というのがビジネスをじかにやっているとひしひしと感じる。SONYやTOYOTAなどは、もちろん、そこは日本企業で腰が遅く古いものもたくさん残りつつも、一部ではただ単なるグローバル化を超えてその次のステップに進んでいると思う。もうそういう時代なのだ。英語の勉強の仕方を勉強していて、次の10年は、パソコンが使えないと仕事ができないように、英語がしゃべれない人間は仕事ができないような時代が来る!、というような煽り文句があったが、まぁ多少圧迫広告的なものはあるとしても、グローバルコミュニケーションの必須のツールになりつつあるというのは、たぶん本当だろう。そういう兆しは凄く感じる。


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このこととの同じ流れでいつも思いだすのは、下記の記事だ。これは、日本のメーカーが、国内ではかなり強いように見えて、全世界的にみると、もう圧倒的に負けているという昨今の状況をうまくあらわした記事で、このような国内の成熟市場(しかも縮小がわかりきっているにもかかわらず!)で死ぬほどがんばるくせに、世界的シェアでは、圧倒的に負けているという日本の製品、ブランドは数多い。確かに携帯など、異様な機能がついていて、技術的には世界最先端で様々な開発がなされているケースが多いのだが・・・・このビジネスモデル、技術で差別化するという戦略では、いまのグローバルマーケットを前提とした世界では、絶対に勝てないのがわかりきっている。


理由は簡単だ。4極・・・・EU、北米、日本・・・日本が縮小していまでは中国と、その他のブリックスに世界同時に流通販路を開拓する時に生まれる数量効果は、物凄いレベルのものがあり、もう圧倒的に固定費のカバー率が異なってしまうんですよ。言い換えれば、コスト競争でとんでもない差がつくので、勝負にならない。多少の差???、、、つまり技術的な差で、この数による優位性をひっくり返すことは不可能なんですよ。マーケティング・・・とりわけ、グローバル同時立ち上げ・販売及び流通販路の確保による固定費のカバーこそが今の世界市場では最優先課題になっている。世界で勝つクラスの企業でありたいならば、これ以外の方法はないんです。


もちろん、あまりに革命的なほど根底から価値をぶち壊すような、差別化製品・・・・ラジカセしかない時代にいきなりウォークマンを出したSONYのように、絶対的な差別化・・・・ただ単に色を変えたとか、電池の寿命が延びたというような多少のヴァージョンアップではない、異様な革命的商品を生み出せれば話は別です。i-podなんかそうですよね。いきなり後発であるにもかかわらず、世界地図を塗り替えてしまう商品。けど、そういったものでさえ、やっぱりグローバルな販路とブランドを前提にやるんですよね。そういう革命的な発明をして、しかもそれを世界同時立ち上げをして、世界中に販路を確保する、というようなスケールは、地球のすべての世界地図を同時に並列に考える思考でないと、絶対にできないんです。国内の、ドメスティツクな市場にしがみついてシェア争いなんかする発想では、話にならないんですよ。そして、スティーブ・ジョブスのような強いリーダーシップをもった決断力が必要。世界同時に、しかも垂直立ち上げで、数を背景にした調達力によるすさまじい強気の交渉もできないといけないしね。アップルは優しそうないいイメージだが、その調達の交渉力は凄まじい、ド汚ねぇ(笑)厳しさですものね。

□第105回“惨敗”PCメーカーに残された道/大前研一
http://www.nikkeibp.co.jp/sj/2/column/a/108/

携帯電話でも繰り返された「失敗の構造」
 
この惨敗の有様を見て、わたしが思い出すのは携帯電話での失敗だ。携帯電話では、国内メーカーは大失敗をしている。日本だけを見ていれば、国内メーカーも健闘しているじゃないかと思っている人も多いだろうが、世界規模で見ると日本の携帯電話は惨敗なのだ。日本の携帯電話市場は世界と比べると独自規格が多い。販売のシステムもまったく違う。そのため世界標準で戦うための力がない。結果的に国内でのシェア争いにばかり目を向けており、世界市場のなかでは日本のメーカーの影が薄くなっているのだ。既に携帯電話の世界市場は寡占状態に移行しつつあり、上位4社でほぼ決まりといえる。それはモトローラ、サムソン、ソニー・エリクソンノキアである。かろうじてソニーの名前が入っているものの、純粋な国内メーカーの名前はそこにはない。 さて、改めてPC市場を見てみると、携帯電話と同じように「国内では強いが、世界では弱い」という構造が見えてくる。


ちなみに、企業の独り勝ち状況などの世界の傾向は、やはり凄まじい勢いで動いているIT産業の預言者たちの意見が、とても参考になる。下記の本も、みんなどういうふうに読んだの変わらないですが、僕はこれからの来るべき経済の傾向などが凄く参考になって、自分のビジネスの戦略の前提として、、、もちろんカスタマイズして状況にいろいろ合わせますが、とても参考になっています。新しさだけではなく、思考の本質や、トレンドを分析する思考力などの面でね。ちなみにね、ITの預言者たちは素晴らしいアイディアが多いのですが、みんなどう思っているのかしらないんですが、これをITの世界でうまく使おうとしている人ってダメじゃねぇ?といつも思います。えっとね、どういうことかというと、ITの先端は、もう既に語られているという時点で二番煎じなんですよね。だから、本当はこのITの市場で現れた現象から読み取れる世界の大きなマクロの動きを、異なったビジネス分野やことなった領域に持ち込んでうまく応用することこそが、一番役に立つんだと思っている。だって、僕は、IT産業に勤めていないもの(笑)。自分の領域に引きつけて使うが正しいのですよ。


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・・・・・こういう時に、世界で数量を捌き、しかも差別化商品を継続して生み出すアップル社なんてのは、凄まじく自分たちに都合のいいビジネスモデルを押し付けてくるのなんか当たり前なんですよね。・・・・なのに、そのために何の準備もしていなかった、もしくは押しきれると考えられたってのは。いったいドコモの経営陣って・・・・なにを考えているんだろう?って思います。いやまさに、そこらへんのテキトーな新書でも読めばわかることで、その商品が欲しいのならば、ビジネスモデルの変更を迫られて、それを交渉の肝に持ってくるに決まっているじゃないですか・・・・。そんなことすらも想定していなかったのか・・・・と情けなくなる。いや、想像ですが、理由はわかりますよ。KDDIソフトバンクが多少頑張っても、確かに日本ではNTTグループの強み圧倒的です。日本市場のみでは!。その奢り、そうはいっても、ドコモを無視できないだろう!だって、日本ではこんなに強いんだからという、内向きの殿様意識があったとしか思えませんよ。


全然違う話なんですが、僕が新しい部署になって、会社からグローバル対応の携帯が支給されたんですね。これは、会社推奨のもので、日本の会社のものでした。もちろんドコモのでね。ところが、以前からこの部署にいる先輩は、かなり何枚も書類を書かなければいけなかったんですが、日本製品をやめてNOKIAのものに無理やり変更して・・・・本当は、ブラックベリーが良かったみたいなんですが、それはダメで、、、なんでNOKIAなんて、僕は周りにあまり見ないしわざわざ反抗して選ぶのかな・・・・と思ったら、少し経ったらよくわかりました。それは、世界では、NOKIAやブラックベリーの方がスタンダードで、日本が特殊に自閉的に変な国内のブランドを使っているだけで、いろいろシステムやモバイルにリンクするソフトの量も違うし、なによりも、お客さんや海外の取引先もみんな同じNOKIAの製品を使っているので、そっちの方が圧倒的に話題になるんですよね。海外では、ほとんどみないんですよ。日本だけ。・・・あーこれが、グローバルスタンダードとの差なんだ、と愕然としました。あーこりゃードコモ、ダメなはずだ・・・と思いましたよ、心底。

iPhoneを取られたドコモの混乱/アンカテ
http://d.hatena.ne.jp/essa/


「通信料を渡すか渡さないか」というのは、ケータイビジネスの根幹に関わることで非常に難しい問題だということはわかるけど、それだけに、交渉前によく考えて方針を明確にしておくべきことだと思う。そこにトップのビジョンが感じられない。
ドコモのトップの人は、交渉前に「パラダイス鎖国」とか「アップルとグーグル」とか読んでなかったのかなあ。新書二、三冊読んどけば誰でもわかることがわからないまま迷走しているように見える。


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本当にこの程度の本を読んでいなかったのか…と不思議になる。