『航宙軍士官、冒険者となる』伊藤暖彥(原作)たくま朋正(作画) 7巻出てくれた! これエタってなかったんだ!

航宙軍士官、冒険者になる7 (電撃コミックスNEXT)


この作品大好きで、小説も全て買っているし、なろうでも読んでいるし、漫画もちろん全部持っている。2020年くらいかな、数年前に更新が途絶えていて、もう終わったのだろうな、漫画版も繰り返し読み返して楽しんでいたけれども、もう続きは見れないんだなと思っていました。超嬉しい。けど、この続きは続くのかな?それとも、ここまでなのかな?。よくわからない。


何が好きかって、1巻第5話の、イーリス・コンラート中佐のエピソード。


あまりにかっこよくて、、、、自己犠牲の話って、好きなんですよね。このエピソードが読みたくて、何度も何度も読み返すので、この話好きなんだなって自分でも思います。なにが好きなんだろうなぁ。なにが良いかって、覚悟がガンギマリなんだよね。死の直前の映像が、全銀河に流出して、一躍人類の英雄になったというのも頷ける。覚悟が決まりすぎていて、ロボットのようにも思えるのだけど、実際にキャラクターを見ているとそんなふうに感じない。なんでかと言えば、多分この人は、「普通の人」で「普通の軍人」なんだろうと思う。多分、英雄とかそういう器ですらない。だから、「自分にやれることを精一杯する」こと以外に、思いつかなかったんだと思う。だから、まるでマシーンのように冷静沈着で、論理的にできることをこなしていくんだけれども、情がすごく通っている。自分の部下たち、、、、それも、自分を慕ってくれた若い女性の女の子から、確実に自分より年上の歴戦叩き上げの男の軍人など、色々な人がいる中、多分、ちゃんと普通に「上司」をしていた人なんだろう。軽い言葉の一つ一つに、重い情が通った思いがつたわってくる。そりゃあ、こんな映像見たら、人類が熱狂しちゃうよ。これって、「普通の人間」の強さだもん。僕の物語好き人生の中でも、最高峰レベルで好きなエピソード。


このエピソードが本筋とは、ほとんど関係ないってのも、素晴らしくいい。


SFとしては、眉村卓さんの司政官シリーズや小川一水さんの『導きの星』シリーズを思わされる。SFの大きな風呂敷を意識した、大きな、大きな構造。全体の「枠組み」がちゃんとSF的に設計されて、それに沿って話は進んでいるのに、実際をその話を動かす「手段」としては、中世レベルの技術国家軍の存在する世界で、戦記もの(笑)の国盗り物語をしなきゃいけない、この地に足がついているんだか、ついていないんだかよくわからない感。それが、本当にいい。大好きです。


このまま続いてくれることを祈っています。


導きの星Ⅰ 目覚めの大地 (ハルキ文庫)






航宙軍士官、冒険者になる1 (電撃コミックスNEXT)