空白の日本近代史を観る〜The blank Japanese Modern History

LDさんのこの解釈は、僕は好きなんだよなー : 「葉隠」の物語〜「風雲児たち幕末編」吉田松陰

「風雲児たち幕末編」で吉田松陰が順調に“狂い死に”しようとしています。井伊直弼の権勢確かな内から、倒幕を謳って幕閣老中首座である間部詮勝の暗殺を計画する。主君である毛利敬親を京都へ拉致して強引に天皇の勅を受けさせ徳川幕府と対峙させようとする…

A級戦犯の意味

ちょっと古いと言えば古いのだが、最近中国に連続で行っていたので、この関係の本を乱読している。が・・・一番、なるほど!と思ったのは、A級戦犯を裁いた極東軍事裁判とサンフランシスコ講和条約が、表裏一体になっている「手打ち」だって部分。物凄くシ…

いま読んでいる本

最初の数ページだけで、目頭がツーンと、、、。。。この辺の話を知るたびに、クリントイーストウッド監督の映画が、いかに素晴らしいものであったかを感じて、感動する。物凄いよ・・・アメリカの保守ってのは、すげぇって思うなー。僕はいつも思うのだが、…

『それでも、日本人は「戦争」を選んだ』 加藤陽子著 

もうすぐ読み終わる。。。。うーむ、素晴らしい本だ。じみーな歴史の本ではあるが、友人がブログって言っている通り、 本書を読むと、司馬遼太郎の歴史観が加藤周一の言う「英雄史観」ーー英雄が歴史を作っていくーーであることが分かる。半藤一利の歴史観は…

『ムーンライトマイル』 太田垣康男著 やさしい日本人という人物類型

評価:★★★★★星5つ (僕的主観:★★★★★星5つ) 最近の宇宙を描いた近未来モノに面白いテーマが反復することに気づいたんです。この三巻の「夢の代償」という月へのNASAビルディングスペシャリスト訓練候補生の日本人澤村耕介とマレーシア人ルーシー・ウーの…

『裕仁天皇の昭和史』山本七平著/英明で啓蒙的独裁君主を望んだ戦前の日本

裕仁天皇の昭和史―平成への遺訓-そのとき、なぜそう動いたのか (Non select) ■英明で啓蒙的独裁君主を望んだ戦前の日本 天皇制を考えるのにあたって、昭和天皇自身が「自らをどのように自己規定」していたかを追求した本です。 なるほど、「天皇に戦争責任は…

驕れる白人と闘うための日本近代史

いま海外出張中で、あんましかけないんだけど・・・・一言・・・・これ、すげぇ。すげぇよ、まじで。うーん素晴らしく面白い。いままで日本の歴史や「世界史」で、疑問に思っていたことが、非常にわかりやすく整理できた。面白すぎる。これとみなもと太郎さ…

こういうことが、政権交代の具体的な効果なんだよね

http://www.sponichi.co.jp/society/flash/KFullFlash20090918119.html 岡田外相 全メディアに記者会見を原則開放http://blog.goo.ne.jp/ikedanobuo/e/e8f702285f11ccf26e3b7ef768e05eaf 「記者クラブの壁」の崩壊

駄目だったら若者は海外に出ればいい

へこたれない これからいろいろなことが待っていますよ。60年間の戦後の問題がすべて出てきている。そういうものを改めることによって、日本全体の回復がある。あわてないことでしょうね。私は「イギリスは英国病でひどい状態があって、どうやって立ち直っ…

政権交代

小沢幹事長は「二重権力」になるか 2009-09-04 / Law/Politics民主党の幹事長に小沢一郎氏が内定し、「二重権力」が懸念されているが、先日の「闇将軍」の記事を書いたTobias Harrisは、小沢氏は過去の失敗から学んだはずだと期待している。私も、16年前とは…

『一勝九敗』 柳井正著 店長が一番偉く、現場にとって「到達したい上がりのポジション」でなければならない

この古い本をなぜいま読むべきか?については、たぶん分かる人は、よくわかると思うので、そこは割愛。さて、興味深かったのは、彼の店舗政策の部分。店舗の「店長」が一番高給取りで、現場が目指す最後の「上がり」のポジションであるべきという点。僕のブ…

面白過ぎる。

半分ほど読んだが、、、もったいなかった、、、まだ読んでいない自分がアホだった。すげぇ面白い。いやー素晴らしい人物だね。特に台湾の民政長官時代の、植民地経営のノウハウが素晴らしい。プロジェクトマネジメントの素晴らしい成功例だ。植民地の善悪は…

日本の官僚は西洋的なテクノクラートではなく、科挙以来の伝統を受け継ぐ儒教的な知識人

このようにして奉還された天皇の大権が、明治以降の官僚機構のよりどころだったからだ。鳩山氏がこのような日本の官僚機構の儒教的な性格に無自覚であるかぎり、霞ヶ関を本質的に変えることはできない。坂本多加雄も指摘したように、日本の官僚は西洋的なテ…

『日清戦争-「国民」の誕生 佐谷眞木人著  国民国家・近代国家意識もつ「日本人」を形成してきたメディアの履歴

評価:★★★★星4つ (僕的主観:★★★★星4つ) 非常に面白いです。池田信夫さんのブログのお薦めの本は、どうもヒットするものが多い。これは、日清戦争を契機に、日本という国が、依然とどうかかわったか?を扱った本です。一言で言うと、それまで「国民国家」…

ふと思ったが・・・

司馬史観なんてかっこよくいってみたところで、定義があるわけでもないので、「自分の思い込みの解体」にすぎないんだよなぁ。「語る」というのは難しいよねぇ。・・・勉強足りないよ。でもまー、かといって何も言ってはいけないのか?というと、それも違う気…

うんうん、僕もそう思う。

今どき、司馬遼太郎で近代史を語るセンスはいかがなものか。日清・日露戦争までは日本がアジアを指導した栄光の歴史だが、1930年代以降は軍が暴走した、という彼の歴史観では、日本の近代を統一的にとらえることはできない。軍だけを悪者に仕立てるご都合主…

『エトロフ発緊急電』 (3) 佐々木譲著 レジスタンスというドラマツゥルギーの類型

■レジスタンスというドラマツゥルギーの類型 「そうじゃありません」金森はこんどははっきりと歯を見せていった。「前にも話したじゃありませんか。わたしは植民地の人間です。その後何があろうと、わたしはけっきょく、この国を滅ぼすために力を傾けていた…

なぜ中国に戦争を仕掛けたのだろうか?

昭南島に蘭ありや〈上〉 (中公文庫)佐々木 譲中央公論新社 2008-07売り上げランキング : 340547Amazonで詳しく見る by G-Tools昭南島に蘭ありや〈下〉 (中公文庫)佐々木 譲中央公論新社 2008-07売り上げランキング : 338965Amazonで詳しく見る by G-Tools ■…

前の時代のエートスが次の時代のエートスを支配する

もうすぐ読み終わる。飛行機が好きなので、鳥瞰図的な描写は、胸が躍る。佐々木譲さんは、うん、発見だった。この人の作品は、好き。特にこの太平洋三部作は、今の自分にドストライクだった。友人に、この三部作の面白さを伝えようと、ふと口に出た言葉が、…

『エトロフ発緊急電』 (2) 佐々木譲著  インテリジェンス小説としての面白さ〜1941年の大日本帝国

評価:★★★☆3つ半 (僕的主観:★★★★4つ) ■インテリジェンス小説としての面白さ〜1941年の大日本帝国1990年(ということは、19年前か)山本周五郎賞を受賞したというのがわかる、読み応えのある小説だった。佐々木譲さんは、あまり知らなかったの…

プラグマティズムの権化〜明治時代のエートスとは?

新渡戸稲造の『武士道』に対する記事で、tujigiriさんがコメントしてくれた言葉が、とても頭に響いている。先の見えないものを調べようとするときには、物事には仮説が必要で、やっと、僕がこのあたりの時代に見出しているエートスの差異や構造が、なんとな…

『武士道』 新渡戸稲造著 武士道的な倫理を取り戻そう!という、社会改良の発想は、そのすべてが意味のないロマンチシズム

■原典に溢れる高貴な香り〜その引用とシンプルな文章にしびれる読んでいておもったことは、シンプルでわかりやすいこと、そして、東洋、西洋のさまざまな文学、思想を縦横無尽に引用比較するさまは、見事なまでの教養人だなぁと感心した。よっぽど様々なレベ…

繰り返し読んでます・・・・最近やっと大正期と明治期の接続が分かって気がする

最近これ、繰り返して読んでいます。うん、明治期と大正期の「接続」ってのが、どこになるのか?って事が、だんだん輪郭ができてきた気がします。また、意味不明だった大正から昭和初期までの日本のことが、ある程度、像を結んできた気がする。うん。なんと…

『テンペスト』 池上永一著 素晴らしい構想力と長編にもかかわらず読者を飽きさせないテンポのよさはあるが、、、、、

評価:★★★☆星3つ半 (僕的主観:★★★☆星3つ半) 非常に評価が難しい作品。 一言で言うと、文章が下手で、時系列が非常に読み取りにくいので、小説というよりは、ライトノベルといってしまいたくなる「軽さ」がある。まず欠点を先に言ってしまうが、たぶんも…

伊奈英次 作品展「EMPERORS」と山崎豊子著『二つの祖国』

伊奈英次 作品展「EMPERORS」 http://www.zeit-foto.com/exhibition/index.html 日本の天皇とは摩訶不思議な存在である。2600年連綿と続く王朝は世界に唯一であり、現在の平成天皇が125代目にあたる。そして北朝をあわせると129代の天皇陵が東京、奈良、京都…

『二つの祖国』 山崎豊子著 個人主義と家族のドラマツゥルギー

二つの祖国〈上〉 (新潮文庫)山崎 豊子新潮社 1986-11売り上げランキング : 74630Amazonで詳しく見る by G-Tools いうまでもない、読む前からわかっていた大傑作。あまりに楽しみ過ぎて、読むのをとっておいたのだが・・・最近、もう体調的にも仕事的にも、…

『大東亜戦争の実相』 瀬島龍三著 大本営参謀にして伊藤忠商事会長の戦争回顧録〜現代日本に必要なのは何か?

大東亜戦争の実相 (PHP文庫)瀬島 龍三PHP研究所 2000-07売り上げランキング : 44205Amazonで詳しく見る by G-Tools不毛地帯 (1) (新潮文庫)山崎 豊子新潮社 1983-01売り上げランキング : 6847Amazonで詳しく見る by G-Tools 評価:★★★★星4 (僕的主観:★★★★…

『雄気堂々』 上巻 城山三郎〜尊皇攘夷と開国の狭間で

評価:★★★★☆星4つ半 (僕的主観:★★★★★星5つ) 最近城山三郎にはまっている。 空白の日本の近現代史を、エンターテイメントを通してイメージを掴みたい、なんて目標を立てておきながら、城山三郎を読んだこともなかったなんて、僕もぬけているな、とただい…

『日本海軍地中海遠征記』を読み始めました…・いや、これ、すげぇおもしろいかも。

なんでか、気になってネットで買ったまま積んであったんですが、気分が乗って読み始めてみた。・・・って、塩野七生さんの『ローマ人の物語』と読み返している西尾維新さんの『化物語』と、北方謙三の『楊令伝』・・・同時に読んでいるので、なんか不思議な…

葉隠れって何ですか?〜武士道と葉隠れは違うんじゃないの?

惑星のさみだれ 5 (5) (ヤングキングコミックス) おおっ、大きく表示させる方法ってあるんだな!(発見)。先日、LDさんやいずみのさんと話している時に、いろいろ気づきがあったので、メモメモ。はじまりは、『惑星のさみだれ』だった。えっとね、下記を…